色には、気分があると思う。
「何やねん。急にロマンス映画のセリフみたいなこと言いおって」
眼鏡のレンズの奥で、理知的な瞳が怪訝そうな表情を浮かべている。
「いいじゃない。忍足くん、好きでしょ。そーいうの」
少しだけムッとしながらそう言うと、
「まぁな」
困ったように、肩を竦める。
「・・・・・で? 今の気分は何色なん?」
「・・・・・内緒」
「なんやねん!」
ズルリ、と右肩を下げるオーバーリアクション。
「俺のお姫さんは、気紛れなやっちゃなぁ」
「・・・・だって」
忍足くんが、悪いんだよ?
知らないとでも思ってるのかな。
この間、2年生で1番可愛い、って評判の女の子に告白されたの。
それだけじゃない。
告白されるのなんて、彼にとっては日常茶飯事。
私がいるのに、なんて思うのは傲慢?
今の私の気分に色を付けるとすれば、「ブルー」。
それしか、あり得ない。
「まぁ、ええねんけど。そんなとこも含めて好きなんやし」
「・・・・!」
私の気分をブルーにするのもあなただけれど、ブルー色の気分を吹き飛ばしてくれるのもあなたなんです。
“Please
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仁王とおそろいのつもりで、「気分の色」がテーマでした。
初忍足です。初が拍手お礼SSて・・・!
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